梅雨の時期はもちろん、冬場でもなぜかジメジメしている北側の部屋。久しぶりに開けたクローゼットや押入れの奥から、もわっと漂うカビ臭い空気。大切にしまっておいたはずの革のバッグや、礼服のジャケットに、うっすらと白いものが…。
神戸にお住まいの皆様の中にも、こうした「湿気」と「カビ」との、終わりなき戦いに頭を悩ませている方はいらっしゃらないでしょうか。
私たち、LIXILリフォームショップ橋本建設には、このようなお悩みが数多く寄せられます。
「除湿剤を置いても置いても、すぐに水がいっぱいになる」
「こまめに掃除して、アルコールで拭いているのに、いつの間にかまたカビが生えている」
「換気はしているつもりだけど、全く効果がない気がする」
「もう、この家の体質なんだと諦めている…」
そのお気持ち、痛いほどよく分かります。そして、私たちは声を大にしてお伝えしたいのです。それは、決して皆様の掃除や換気の方法が悪いわけではありません。そのしつこい湿気とカビの本当の原因は、多くの場合、皆様の目に見えない「家の構造」そのものに隠されているのです。
今回の記事では、この長年の悩みの正体を突き止め、その場しのぎの対策ではない「根本的」な解決策について、私たちLIXILリフォームショップ橋本建設が、建築のプロの視点から詳しく、そして分かりやすく解説していきます。
カビの本当の親玉、その名は「結露」

皆様が戦っているカビの、本当の親玉。それは「結露」です。
「結露というと、冬に窓ガラスがびしょびしょになる、あれでしょう?」
はい、それも結露の一種です。結露とは、温かく湿った空気が、冷たいものに触れることで、空気中の水分が水滴に変わる現象のことです。夏に、冷たい飲み物を入れたコップの周りに水滴がつくのと同じ原理です。
これをお住まいに当てはめてみましょう。家の中の空気は、人の呼吸や料理、お風呂などから、常に水分が供給され、暖房によって温められています。一方で、外気に接している壁や窓は、特に冬場、キンキンに冷えています。この「温かく湿った室内の空気」が、「冷たい壁や窓」に触れることで、結露が発生するのです。
そして、カビは「水分」「栄養(ホコリなど)」「適度な温度」の3つの条件が揃うと発生します。結露は、カビにとって最高ののごちそうである「水分」を、常に供給し続けてしまうのです。
これが、日当たりが悪く、家の中でも特に壁が冷たくなりやすい「北側の部屋」で、カビが繁殖しやすい最大の理由です。
さらに厄介なのが、クローゼットや押入れです。ここは扉で閉め切られているため、空気がよどみ、湿気がこもりやすい場所です。加えて、外壁に面して作られていることが多いため、壁が非常に冷たくなりやすい。つまり、「温かく湿った空気が閉じ込められ、冷たい壁に触れやすい」という、結露にとってこの上ない好条件が揃った空間なのです。
そして、最も知っていただきたいのが、目に見えない場所で起こる「内部結露」の存在です。これは、壁紙の表面だけでなく、壁の「内部」、つまり石膏ボードの裏側や断熱材の中で結露が発生してしまう現象です。壁の内側が常にジメジメしているため、いくら表面のカビを拭き取っても、内部から次から次へとカビが再発してくるのです。これが、皆様の戦いが終わらない、本当の理由でした。
なぜ、あなたの対策は効果が出なかったのか
この「結露」という根本原因を理解すると、なぜ今までの対策がうまくいかなかったのかが見えてきます。
・除湿剤や炭:これらは、あくまで空気中を漂う湿気を吸い取るものです。冷たい壁面で次々と生み出される結露の水分量には、到底追いつきません。コップに空いた穴を、指で必死に塞いでいるような状態です。
・換気:もちろん換気は重要です。しかし、そもそも家の断熱性能が低く、壁が冷え切っている状態では、換気をしている間にも壁面では結露が発生し続けます。根本的な解決には至りません。
・カビ取り剤での掃除:これは、生えてしまったカビを取り除く「対症療法」です。原因である結露がなくならない限り、カビは必ず同じ場所に再発します。
つまり、カビの発生を根本から断つためには、原因である「結露」そのものが起きないような住まいの環境へと、リフォームによって改善してあげることが唯一の道筋なのです。
プロが実践する「結露させない家」への根本的リフォーム
では、どうすれば結露しない家にすることができるのでしょうか。答えは「断熱」と「換気」という2つのアプローチにあります。

解決策1:壁を冷たくさせない「断熱リフォーム」
結露は、空気が「冷たい壁」に触れることで発生します。ならば、壁が冷たくならなければ良いのです。そのためのリフォームが、断熱性能の向上です。
・窓の断熱:家の中で最も壁が冷たい場所は、窓です。古いアルミサッシと一枚ガラスの窓は、外の冷気をそのまま室内に伝えてしまいます。この窓を、熱を伝えにくい「樹脂サッシ」と、断熱効果の高い「Low-E複層ガラス」を組み合わせた最新の窓に交換するだけで、窓際のひんやり感は劇的に改善され、結露の発生を大幅に抑えることができます。また、今ある窓はそのままに、室内側にもう一つ窓を追加するLIXILの「インプラス」のような「内窓」も、非常に手軽で効果の高い断熱リフォームです。
・壁・天井の断熱:問題となっている北側の部屋の壁や天井に、断熱材を新たに追加したり、既存のものをより高性能なものに入れ替えたりする工事です。壁の内側から外の冷気が伝わるのをシャットアウトすることで、壁紙の表面温度が下がりにくくなり、結露の発生を防ぎます。
解決策2:湿った空気を追い出す「換気リフォーム」と「調湿建材」

断熱と合わせて行いたいのが、湿気そのものをコントロールする工夫です。
・計画的な換気:ただ窓を開けるだけでなく、小さな換気扇などを設置し、24時間、緩やかに空気を入れ替え続ける「計画換気」が有効です。常に室内の湿気を外に排出し、新鮮な空気を取り込むことで、湿気がこもるのを防ぎます。
・調湿建材の活用:特に、空気がこもりやすいクローゼットや押入れの内部には、湿気を吸ったり吐いたりして、空間の湿度を快適に保ってくれる「調湿建材」の活用がおすすめです。私たちLIXILリフォームショップ橋本建設がよくご提案するのが、LIXILの「エコカラットプラス」です。デザイン性も高く、壁に貼るだけで、結露を抑制し、カビやダニが繁殖しにくい湿度環境を保ちます。さらに、気になるカビ臭や生活臭を吸着してくれる脱臭効果も期待できる優れものです。
まとめ:長年の悩みから解放され、カラッとした毎日へ

「北側の部屋だから仕方がない」「この家は湿気が多くて…」
もし、皆様がそう思い、半ば諦めてしまっているとしたら、それは非常にもったいないことです。その長年の悩みは、皆様のせいではなく、家の性能の問題であり、そして、それは現代の建築技術で解決することが可能なのです。
しつこいカビとの戦いに、時間と労力、そして精神をすり減らす毎日から、解放されてみませんか。窓を開ければカラッとした新鮮な空気が入り、クローゼットの奥からお気に入りの服を、何の心配もなく取り出せる。そんな当たり前で、快適な暮らしを取り戻しませんか。
「うちのこのカビ、本当にリフォームで解決できるの?」
「まずは、何から相談すればいいのか分からない」
そう思われたら、ぜひ一度、私たちLIXILリフォームショップ橋本建設にお声がけください。お住まいの状況を拝見し、なぜカビが発生しているのか、その根本原因を突き止め、最適な解決策をご提案する「無料湿気・断熱診断」を行っています。
「家の持病」だと諦めていたその悩みを、私たちと一緒に根本から解決し、心も住まいもカラッと晴れやかな毎日を手に入れましょう。

